阪本 明子さんの写真

INTERVIEW 04

メイクアップアーティスト阪本 明子さんに伺う
「Koh Gen Do」の魅力。
そして、美容との向きあいかた。

1996年『私立探偵濱マイク』シリーズの第3弾『罠THE TRAP』以来、国内外1,260作品以上(※2023年7月現在(未公開作品を含む))の映画・ドラマ・舞台に協力してきたKoh Gen Do。肌への負担が少なく、長時間美しい仕上がりを保つクオリティは、ヘアメイクアップアーティストをはじめとした、厳しい目を持つ“映像のプロ”からも信頼を得ています。

パリ、ニューヨークでメイクアップアーティストとして活躍後、日本に拠点を移し、雑誌や広告などで幅広く活躍中。その人の個性を活かしながら、色、陰影、質感を巧みに操る名手である阪本明子さんに、Koh Gen Doの魅力や、美容との向きあいかたを伺いました。

阪本 明子さんの写真

メイクアップアーティスト
阪本明子さん

大阪出身。2001年渡仏。数々のトップクリエイターたちと出会い、本格的にメイクアップアーティストとしてのキャリアをスタート。強さと優美さを同時に表現し、クラシックな女性像だけでなく、両性の特徴を持つ新しいメイクを提案。パリ、ニューヨークで活動後、日本に拠点を移す。SIGNO所属。

女性として自立できるように、メイクアップアーティストを目指しました。

阪本 明子さんの写真

父を早くに亡くし、母から「これからは女性も手に職を持つことが大切」と言われて育ちました。
元々ファッションが大好きで、TV番組の「ファッション通信」から流れてくる、ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドンコレクションをみながら、「パリコレでメイクアップアーティストの仕事がしたい!」と思うように。
2001年にパリへ渡りました。30歳からはイギリス人のKabuki氏に師従し、VogueやNumero、ショーなど数多くの面白い現場を経験させていただいた後、2012年からニューヨークへ。パリ、ニューヨーク、シカゴと経験を積んでいくなかで、日本で仕事がしたいと思い、帰国しました。
目指すものは、シンプルで美しいメイク。「いつも何か違うことをしてくれる」と、メイクを楽しみにしていただいているモデルさんもいらっしゃいます。年齢を重ね、自分の考え方や生活も変化して、仕事のスタイルも変わりました。

パリで出会ったKoh Gen Do。
素肌のような美しい仕上がりのアクアファンデーションが好きです。

阪本 明子さんの写真

パリでは、ファッションだけではなく、短編ムービーにも携わっていました。その現場で、Koh Gen Doを知りました。
実際に使いはじめたのは、日本に戻ってきてからです。きっかけは、アクアファンデーション。カバー力があるのに、みずみずしい素肌のような美しい仕上がり。そして肌にもやさしいことが気に入り、撮影現場で愛用しています。

阪本さんのお気に入りKoh Gen Doアイテム

アイテム写真

右下から時計まわりに「アクアファンデーション 」( リクイッドタイプ/ SPF25 PA++)¥5,060 「アクアファンデーション イルミネーター」¥2,475 「アイブロウ ペンシル」(02 ブラウン、03 ライトグレー)各¥2,640 「パウダー アイブロウ」¥3,850 「ザ・バームR」(数量限定)¥3,600

「アクアファンデーション 」
うるおい感のある、自然なみずみずしさが好きです。その人の肌にあわせて、色を混ぜることが多いですね。密着を高めたいときはスポンジを。ヴェールをかけたような肌を作りたいときはブラシで仕上げています。

「アクアファンデーション イルミネーター」
スキンケアをした後、顏の中心に塗ってブラシでぼかし、アクアファンデーションを重ねると綺麗な艶が宿ります。

アイテム使用シーン

「パウダー アイブロウ」「アイブロウ ペンシル」(02 ブラウン、03 ライトグレー)
眉は顔の額縁。顔の印象を決める大切なパーツです。ブラウンとグレーの2色で濃淡をつけると、ナチュラルな眉に仕上げることができるんです。まずパウダーをふわっとのせて、なじませませてから、アイブロウペンシルで眉の真ん中から下辺を描き足していきます。目頭の方にブラウン、次にグレーをイメージして。アイブロウペンシルは、繊細なペン先で描きやすく、発色も綺麗。スクリューブラシでぼかすことで、立体的な眉が完成します。

「ザ・バームR」
リップとして使うことが多いですが、肌が乾燥しているときは、顏全体にしっかりなじませて保湿ケアで使用しています。ファッション撮影で、グロッシーなオイルっぽい艶が欲しいときにブラシで目の上や肌にのせると、グロッシーな艶を仕込めます。ヘアやネイルにも使えて、香りもいい。マルチに使えるバームですね。

アイテムの写真

「オリエンタルプランツ 発酵ローション-60(300mL)」¥9,020 「オーガニックコットン 80枚入」¥754

毎日のスキンケアで欠かせないのが、オリエンタルプランツ発酵ローションとオーガニックコットンを使用したローションパック。オーガニックコットンは厚みのある大判サイズなので、1枚で全顔パックができます。朝晩、冬場の乾燥しているときは、おかわりでもう1回ローションパックをしています。男性にもおすすめですよ。

ローションパックの手順

アイテムの使用シーン

コットン1枚を取り、12~15プッシュ。ローションで四隅がひたひたになるのが目安。コットンを4枚に薄く裂き、繊維の流れにそって引っ張り、伸ばしたコットンを顔に密着させながら貼って、5~10分パックしてください。

阪本さんのお気に入りアイテム

お気に入りアイテムの写真

左)お気に入りのお香
左から1834年創業。お香の老舗、林龍昇堂の「山水香」、2018年にアメリカでデビューしたエレメンスの「温灰」、リバティーのチーフコンサルなどを経歴に持つヤスミン・スウェルが創業したバイラオの「ヴァーダント」お香立ては、私が作りました。
お寺に伺うとお香をよく購入します。特に、鎌倉の円覚寺や極楽寺のお香がお気に入りです。リラックスできて、整う感じがいいですね。

右)阪本さんの金継ぎ作品
青の皿は祖父母の蔵で発見し、パリ・ニューヨーク・シカゴでも使用しました。濃紺の皿は、パリの陶芸教室でつくったもの。色味も気に入っていて、漬物置きにも。パリ・クリニャンクールの蚤の市で購入したオールドバカラは脚を修復しました。

料理が好きなこともあり、昔から器にも興味がありました。仕事で金継ぎアーティストの大脇京子先生と出会い、自身で修復するようになりました。線を美しく描くこと、紡いでいく美的感覚は、美容にも通じるものがあります。金継は室町時代から続く、モノを大切にする日本の伝統工芸。直すことで愛着も増し、なによりサスティナブル。金継ぎはリフレッシュするため、大切な時間です。

人生のターニングポイント
“がん”になったことで得られた、大切な気づき。

阪本 明子さんの写真

2014年、ニューヨークで大腸がんになりました。大腸がんって、自覚症状がないんです。パリコレの時期に、毎日血便出るようになり、これはおかしいと思って、病院へ。内視鏡検査で判明し、その年の11月に手術しました。 病気を経験することで、何事に対しても感謝するように。今となっては、大切な気づきのサインだったと思っています。

美容は表面だけではない。
内側からにじみでるものだと思っています。

阪本 明子さんの写真

少し長いのですが、マザーテレサが
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいくつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
という名言を残しています。

20代や30代では気づかなかったけれど、美しさは表面的なものだけではなく、日ごろの食生活や内面も表れるものなのだと、と40代になって実感しています。美しさとは、私たちの心がけ次第なのかもしれませんね。

撮影/蓮見徹 取材/萩原雅子