INTERVIEW 03
ヘアメイク菅原美和子さんに伺う
「Koh Gen Do」の魅力。
そして、美容との向きあいかた。
1996年『私立探偵濱マイク』シリーズの第3弾『罠THE TRAP』以来、国内外1,300作品以上(※2024年1月現在(未公開作品を含む))の映画・ドラマ・舞台に協力してきたKoh Gen Do。肌への負担が少なく、長時間美しい仕上がりを保つクオリティは、ヘアメイクアップアーティストをはじめとした、厳しい目を持つ“映像のプロ”からも信頼を得ています。
SEからヘアメイクへ転身。映画監督や俳優からの信頼も厚く、ヘアメイク事務所の代表でもある菅原美和子さんに、世界中の映像作品からタイアップのオファーが絶えないKoh Gen Doの魅力や、美容との向きあいかたを伺いました。
ヘアメイク ピクトメイク合同会社 代表
菅原 美和子さん
システムエンジニアとしてシステムの開発に従事した後、2008年からヘアメイクとして活動。2021年にピクトメイク合同会社を設立。ヴェネチア国際映画祭に出品された「LOVE LIFE」やカンヌ国際映画祭ACID部門に出品された「やまぶき」。最近では、2025年正月公開予定の「君の忘れ方」を担当。
妹の成人式のヘアアレンジがきっかけで、
SE(システムエンジニア)からヘアメイクへ転向。
3人姉妹で、自然と妹の髪を整えてあげる機会も多かったのですが、妹の成人式でヘアをアレンジしたら、着付師さんに褒めていただけたんです。それがとても嬉しくて。当時、SE(システムエンジニア)の仕事をしていたので、土日にスクールに通いはじめ、そこでヘアメイクという職業に出会いました。
拠点を東京へ。映画の現場との出会い。
SEの先輩から背中を押され、福岡のヘアメイク事務所へ転職。TVから広告、ブライダルまで、さまざまな分野の現場を経験した後、東京へ拠点を移しました。なんのつてもなく東京へ出てきたので、しばらくはどんな仕事も引き受けていました。そこで出会ったのが映画のヘアメイクの求人募集。「やってみたい!」と思い、応募しました。はじめての現場は大変でしたが、充実した毎日で。その現場で知り合った皆さんに呼んでいただけるようになって、映画の仕事が増えていきました。
台本を読み解くところからスタート。
映画はチームワークで作りあげていきます。
台本が届いたら、この人はこんなメイクをするんじゃないか、こんな髪型なんじゃないかと、職業や時代背景など、さまざまな要素から登場人物ごとにプランを考えます。
衣装、ヘアメイク、小道具など、監督と演出関係者で、登場人物の服装やメイクのイメージをすり合わせ、世界観を固め、ひとつの作品を作りあげていきます。
Koh Gen Doとの出会いは、
2016年公開の「淵に立つ」。
女優さんにおすすめいただいたのがきっかけ。
Koh Gen Doは、2016年に担当した「淵に立つ」(深田晃司監督/第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 審査員賞)で、出演された女優さんにおすすめいただきました。はじめてスキンケア、メイクアイテムを一通り使いましたが、特に気に入ったのは、メイク落としです。
一日中メイクをした状態で、屋外や冷暖房で乾燥した室内など、肌にとっては過酷な環境で、撮影が一カ月も続くと肌荒れを起こしてしまうことがあるのですが、肌荒れすることなく撮影を終えることができたことは、すごいことだと思い、使わせていただくようになりました。
作品のつながりのため、撮影期間中に肌をコントロールすることは大切です。メイクを落とすところまでが、ヘアメイクの責任だと思っています。
菅原さんのお気に入りKoh Gen Doアイテム
左から「クレンジングシート 10枚入」712円 「アイ トリートメント」11,000円 「モイスチャー フィット コンシーラー」3,960円 「オリエンタルプランツ 発酵ローション-60」(150mL)4,950円
「クレンジングシート 10枚入」シートが分厚くて、これ1枚で全顔カバーできると、現場で評判がとてもいいです。髭もひっかからず、使いやすいと男性からのリクエストも多いですね。3つをラッピングして、ギフトとして使用することも。
「アイ トリートメント」
メイク前に、ポイントマッサージで使用します。目元だけでなく、鼻をかんで鼻のまわりが乾燥しているときや、口元の乾燥が気になるときの保湿ケア対策に。実は、保湿だけでなくファンデーションがよれてしまったとき、クリームでなじませてからファンデーションをのせると綺麗に仕上がります。目のキワについてしまったマスカラ・アイシャドーも、綿棒にクリームを含ませて取るとキレイに落とせますよ。
「オリエンタルプランツ 発酵ローション-60」
Koh Gen Doの大判コットンに、ローションをたっぷり含ませて、メイク前にローションパックをしています。多くの人にメイクをするので、誰かにすごくあうものより、皆さんに使えるものをセレクトしています。
「モイスチャー フィット コンシーラー」
鼻の先など、ポイントでメイクを直すときに便利。ポーチに入れて、現場で必ず持ち歩いています。
視野が広がるきっかけとなった
深田監督からのリクエスト。
「淵に立つ」では深田監督から、「物語から心が離れないよう、プロが作ってはいるけれど、見ている人に存在を感じさせないヘアメイク」つまり、「メイクの存在を消すこと」を求められました。
Koh Gen Doのファンデーションは、もともと肌がキレイだったかのように仕上げることができる。自然な仕上がりに共通するものを感じています。
現場では何を求められているかを、常に意識しています。
安心して、一緒に仕事をしてもらいたい。必要とされていることに喜びを感じて、仕事を続けています。
肌へのやさしさや
肌そのものを美しくみせる、
自然な仕上がりがいいですね。
左から「グロスフィルムファンデーションレフィル」(パウダータイプ/ SPF30 PA+++)5,060円 「コンパクトケース」1,320円 「アクアファンデーション」 (リクイッドタイプ/ SPF25 PA++)5,060円 「モイスチャーファンデーション」5,280円
「君の忘れ方」(2025年正月公開予定)でも使用。艶感を出したいときは「アクア」、自然に肌のトーンを変えたいとき、カバー力が欲しいときは「モイスチャー」など、欲しい肌の質感にあわせて3種類のファンデーションを使い分けています。
菅原さんのお気に入り美容アイテム
左から「MYTREX EMS ヒートネック」「パナソニック スチーマー ナノケア / コンパクト(ゴールド調)」「FAR EAST BAZAARのドライフルーツ」
「MYTREX EMS ヒートネック」
首を温めながらEMSの低周波で、コリをほぐしていくアイテム。コードレスで首に掛けるだけで使えるので、毎朝メイクや家事をするとき、台本を読むとき、PCで調べものをするときなど、何かをしながら使えて便利です。
「パナソニック スチーマー ナノケア / コンパクト(ゴールド調)」
メイク前の保湿で使用しています。血行が促進されて顔色がよくなり、肌の潤いが増して、化粧ノリやキメが整い、化粧持ちもよくなります。
「FAR EAST BAZAARのドライフルーツ」
砂糖添加物不使用。コロナ禍になってからは控えていますが、朝、むくみを気にされている方が多いので、カリウムを多く含むいちじくなどをセレクトしています。小さな器に入れてメイクテーブルに。美容はもちろんですが、インカベリーはすっぱくて目が覚めますよ。
肌コンディションは自分を労わるバロメーター
肌を、私は大切にしています。
肌の調子がよいと気分も明るくなりますし、メイクをする時間も楽しくなります。
一方で仕事が忙しくなってくると、自分のことはどんどん手抜きになってしまって、ふと鏡をみたときにギョッとすることもあります。
肌は体調やストレス、疲れなど内面的なことも現れやすいので肌のコンディションが悪いときは、食べものに気をつけたり、湯船にゆっくりとつかったり、睡眠を取るようにしています。
肌のコンディションは、自分を労わるバロメーター。
私にとって美容とは、自分に目を向けること、自分を大切にすることなのかもしれません。
撮影/蓮見徹 取材/萩原雅子